fasciaとは

fascia(ファシア)

筋膜とは筋肉の表面を包んでいる膜で、表層のみならず、深層にまで存在しウェットスーツのように体全体を包んでいます。さらに筋膜以外の靭帯、腱、支帯、腱膜などを総合した結合組織をfascia(ファシア)と呼んでおります。同じ姿勢を続けていたりすると筋膜、fasciaに異常な張りが生じます。そうなると筋肉の柔軟性が損なわれ、コリや痛みの原因となります。fasciaは腱や神経も覆っていますので、緊張したfasciaは腱鞘炎、神経痛、特発性神経炎(手根管症候群、肘部管症候群)といった症状を起こし痛みやしびれの原因になります。
fasciaの緊張が生じると近傍のみならず、少し離れた関節にも影響し動きが固くなったり、関節を動かすと痛みを生じたりします。
仙腸関節やあまり動かないと考えられている関節もわずかに動く「関節の遊び」があり、fasciaの異常な緊張がこれらの関節に影響を生じます。体幹のfasciaの異常な張りは上肢や下肢に影響し、関節の動きが微妙に抵抗を感じたり、動かすとコリコリ音がする場合もあったりします。整骨院で骨盤が歪んでいるや脚の長さが左右差あるといわれる事もありますが、これはfasciaの緊張の左右差が生じると見かけ上そうみえるためです。


トリガーポイント注射

トリガーポイントとは、筋組織に存在するに触診可能な索状の硬結(しこり)で、押すとその部位のみならず関連痛といわれる離れた部位への痛みが生じます。硬くなった部位はエコーで見るとfasciaが白く肥厚しています。同じ姿勢等で腰や首への負担がかかりfasciaの異常な緊張が生じトリガーポイントが生じると、きついシャツやタイツを着ているような状態となるため周囲の関節も動かしづらくなり徐々に別な部位にトリガーポイントが生じます(あちこち痛くなってきたと表現するのはこういう状態です)。トリガーポイント注射とは、筋肉の固くなった部位に局所麻酔薬を注射する方法で、筋組織のしこりが減少し痛みが緩和されます。局所麻酔薬を使用するため一時的に痛みが緩和すると思われがちですが、異常な張りを元々のよい状態にリセットする事になりますので根本治療となりえます。局所麻酔薬ではなく生理食塩水を注射する「fasciaリリース」とよばれる方法でも改善できることから薬が効いてよくなるのではありません。当院では麻酔薬を使用したトリガーポイント注射を保険診療で行っております。当院注射の中では一番頻度の多い治療法です。

当院のトリガーポイント注射の特徴

痛みの部位をエコーで確認しながら注射する「fasciaリリース」が健康番組や情報番組等で取り上げられ広く知れ渡るようになりましたが、これは従来から行われているトリガーポイント注射を確実に行う方法です。
ただ痛みの感じている部位の「fasciaリリース」やトリガーポイント注射を数カ所注射しても直後や短期間は楽になりますが再発することが多いです。当院ではその張りを起こす根幹の部位へのトリガーポイント注射で出来るだけ再発を少なくすることを中心に行っております。